先染め・後染めのしみぬき[先染め・後染め_後編]

先染めの織りの着物、後染めの染めの着物、どちらも素晴らしい伝統衣装です。

綺麗にして長く着続けたいし、汚れやシミや変色が出てしまったら、元に戻したいと願う気持ちになりますよね。

大島

変色が出てしまった大島紬

しかし、どんなシミでも取れる、というわけではありません。

取れない理由は大きく分けると以下3つに分類できます。

                

A シミそのものがとれにくいもの

B しみぬきの作業ができないもの

C AとB両方          

(これからこの中身について少しずつお話ししていきますね。)

先染めの着物は、「B.しみぬきの作業ができないもの」に該当する場合が多いのです。もちろん例外もありますから、私たち染色補正士はルーペを使って“この着物は先染めか、後染めか”即ち、“しみぬきができるか、できないか”を確認して判断したり、目立たない場所で試験させていただくこともあります。

先染め

拡大すると、色糸で織り出された先染めが分かります

だから、先染め後染めって、とても大事な観点なのです。

前編でお話ししたように、先染めの物は、糸を染めてから柄を織り出してあったり、あるいは糸を括りなどで防染(染めたくない個所に染料が入り込まないよう糸などで防ぐ)して、絣模様を織り出してあったりします。日本の多くの地方に重要無形文化財に指定されている先染めの織物がありますが、草木染や又はそれを併用されているところがほとんどです。

 

補正は油、水、界面活性剤(石鹸)そして酸性・アルカリ性の薬品などを使ってシミを除去します。そして地色が薄くなったり抜けたりした所に元通りに色を挿して復元しますが、 

変色

しみぬきの様子

色入れ 色補正

色入れの様子

先染めは、織り糸の中の一本だけ色が消えたり、あるいは一本だけ滲んだり、白い絣模様が無くなったりすることがあります。そうした時に、繊細で緻密であればあるほど、復元は不可能になります。

糸の染色と、生地の染色は方法が異なるため、糸に色を入れるのは大変困難です。

先染めとは少し違いますが、織物の帯も同じことが言えます。

では、シミがついた(出た)先染めは、もう諦めるしかないのでしょうか。

 

しみのある大島紬

補正前

補正した大島紬

顔料で補正した後

いいえ、そんなことはありません。再生には様々な方法がございます。(次回のブログ「着物は一反すべて使って作ります」では、そのあたりにも触れています。お楽しみに。)それに、水、石鹸、薬品に耐える物もありますから、汗や汚れは専門店でなるべく早く洗い流しましょう。

そして、諦める前にご相談ください。織物は、どれも職人がコツコツと時間をかけて織り上げた貴重な作品です。また活かせるよう是非私たちにも一緒に考えさせてください。

相談はもちろん無料です。

(ブログ 「先染め(先練り)・後染め(後練り)とは[先染め・後染め_前編]」もご参照ください。)

 

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