◇古い胴裏の再利用法のいろいろ ―着物生活―

洗い張りして取り替えた古い胴裏。白くて綺麗な胴裏や八掛ならまだ使えるし、着物でなくても何にでも使えそう。シルクなら、キャミソール等の下着やパジャマ、ブラウスにもなりそうです。

でも、黄ばんだり、カビの黄色や茶色の変色が出ている物は、捨てるしかないのでしょうか。どんな再利用ができるか調べてみました。SNSの着物仲間にも聞いてみたら、さすが皆さんいろんな工夫をされていました。

個人的に一番なるほど!と手を打ったのは、ステテコにする!というアイディアです。

 

直線縫いのまっすぐパンツですね。実は着物を着るとき、これを履くと裾さばきも良くて歩きやすいし、冬は暖かいんですよ。夏用の冷感素材のものはよく見かけますが、シルクはあまり無いし、あってもお高いですよね。簡単に作れるし、これはいいアイディアです。

 

まっすぐ縫いはとにかく簡単。
本も出ています。(写真の寸法は子供用です。)

 

縫って再利用するのは他にも、

キャミソール、着付けのひも、クッションの中袋。細く裂いてクッションの中身までしてしまうという方も。ペットのネコちゃんもお気に入りだそうです。それから半衿。真っ白より、ちょっと黄ばんだ練色が、肌の色にちょうど良く馴染むのだそうです。汚れたら捨ててもいいですしね。

 

自作の作り帯を作るときも、古い胴裏でひもを 作りました。滑らないし薄いので、帯下にはちょうどいいです。

 

一番多かったのは、中性洗剤などでよく洗ったあと、適当な大きさに切ってお風呂で顔や身体を洗うのに使う再利用。シルクは角質をとることで知られていて、洗顔パフやタオルも商品化されているくらいだし、お肌がつるつるになりそうです。細く裂いて編んでちょうどいい大きさにすれば、さらに使いやすくなります。ひじやかかとにも良さそう、顔や身体はあまりこすり過ぎないでくださいね。最後にお風呂場の掃除に使ってポイ。

 

それも出来ないひどい状態なら、おそうじグッズ。靴みがきやハタキというアイディアもありました。靴みがきもなるほど、革を傷つけずツヤが出そう。ハタキは細く裂いて、始めは糸屑が出るかもですが、突っ張り棒などの伸縮する長い棒につければ、使いやすそうですね。

 

もうひと手間かけられる方は、染めるのもオススメです。胴裏は薄くかさばらないシルクなので、初心者でも染めやすく、台所で鍋でも出来ちゃいます。市販の染料の他に、草木染めも楽しいですね。

染めれば、再利用のアイテムがぐっと広がります。先程の下着や半衿などの肌に触れる物は、さらに使いやすくなります。

シルクは例え黄ばんでも繊維の王様、女王様。タンパク質が主成分の天然繊維です。また現在では、ほとんどが輸入品で、大変少なくなった貴重品でもあります。アイディアを生かして、その良さを充分実感してください。ダメージの程度に合わせて、適した物にご利用くださいね。

 

外した胴裏と八掛け。巻いてあるのは洗い、漂白してアイロンをあてた物です。

 

再利用する時は、中性洗剤で洗う、酸素系漂白剤で漂白する、などの下準備をお忘れなく。

 

中性洗剤で洗った後、酸素系漂白剤でつけこみ、アイロンをあてました。かなり柔らかくなります。 新品の胴裏と並べると薄くなっていることがわかります。

 

色々工夫を凝らしてみるのも楽しいですね。

良いアイデアが思いついたら、ぜひ教えてくださいね。