もっと身近に。着やすさを叶える二部式着物の仕立て方

一着の着物を上着と下着に分けた「二部式の着物」を御存じでしょうか?

二部式着物は手軽に着用できるため、お稽古や旅館のユニフォームとして着られていたり、浴衣もありますが、誕生の歴史は少し遡ります。

 

戦後、日本の服装は洋装へと変わり、着物が日常着から晴れ着の位置付けに変わって行きました。その変遷の間で、着物をもっと着やすく暮らしに取り入れる工夫が生まれます。そのひとつが、上下に分かれた「二部式着物」です。

その二部式着物を世に広めた代表的な方に上田美枝さんと、大塚末子さんがおられます。

上田美枝さんは、衣料問屋の経営の傍ら数々の着物における発明をされました。昭和38年(1963年)に、二部式着物の仕立て方などをまとめた『新しい仕立て方のきもの』を出版し、その方法を広く紹介しました。

そして大塚末子さんは戦時中の体験から着物の改良研究をされ、ファッションデザイナーとして活躍されました。大塚さんの「ツーピースきもの」は、着脱しやすさと美しさを兼ね備えた新しい着物の形として注目されました。

 

二部式着物は、戦後の暮らしの変化で生まれた、実用性と美を備えた工夫のひとつといえ、現在でも着物デビューや着物のご着用が難しい方が和装を楽しめるアイテムとなっています。

着用に時間がかからない・着崩れしにくい・簡単にたためることが主なメリットで、二部式型に向いている着物は色無地、小紋、紬などです。

なお一般的に格式高い場で着用される留袖・振袖・訪問着には向いていないとされていますが、お身体の不自由な方などが着物をお召しになるよい方法だと思います。

 
現在は当時と同じように「帯を身に付けるタイプ」と、「帯を身に付けないタイプ」があります。
 
今回は「帯を身に付けないタイプ」の二部式着物の仕立て方をご紹介します。
 
仕立て上がった着物を解かずにカットしていくのが特徴です。

 

 

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こちらは身丈(背)から147㎝の着物で、身長 150 ㎝くらいまでの方が着用できるサイズの袷の品です。

カット前の着物

カット前の着物

 

もとの着物の長さを測り、着用したい方の身長から上着・下着の長さを割り出し、 ほどかないでこのままカットします。

袷の着物ですがほどかないでこのままカットします。

カット後

カット後

上着 55㎝、下着 91㎝でカットしました。

 

こちらのサイズですと身長155㎝くらいまでの人が着用できます。

丈が短いと感じた場合、洋服と組み合わせたり、ブーツなどを履いて個性的に着用されるなら身長に関係なく着られます。

丈が短いと感じた場合、洋服と組み合わせたり、ブーツなどを履いて個性的に着用されるなら身長に関係なく着られます。

 

上着の裾は折くけにします。

衿はほどいて帯を締めないタイプの衿型に仕立直しをします。

上衣

衿をほどいた上着

 

衿を仕立て直したら、紐と飾りの花を作りつけます。

飾り花

 

花飾り拡大図

花飾り拡大図

上着の完成です。

上衣完成図

上着完成図

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下着部分です。

カットしたところを別布(写真は新モスの生地です)でくるみます。

※前後の身頃にタッグを付けます。

下衣

くるんだ延長にヒモを作り完成です。

下衣と紐

これで、作ったヒモが腰ヒモのかわりとなり下着が着用できます。

下衣完成図

下衣完成図

 

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スタッフが着用してみました。

下着から巻いていきます。

下着から巻いていきます。

上前裏の脇の紐と下前衿の紐/上前衿の紐と下前脇の紐をそれぞれ結ぶ

上前裏の脇の紐と下前衿の紐/上前衿の紐と下前脇の紐をそれぞれ結びます。

左.前姿/右.後姿

左.前姿/右.後姿

 

 

 

帯がなくても可愛く新鮮な着こなしになりました。

しるくらんどではお仕立てのご相談も承っております。お気軽にご相談ください。

着物はがまんして着る物ではなく着て楽しむもの。色んな着こなしを楽しみましょう。