◇浴衣の洗い方。プロはどこが違う?ー着物生活ー

 

現代では浴衣は、品質表示も洗濯表示もつけられていて、洋服と同じように洗濯機で簡単に洗濯できるのもありますから、汗をかいても汚れても大丈夫!どんどん着て出掛けましょう!!

 

…でもそれは現代の浴衣。浴衣ってそもそも平安時代の貴族が入浴時に着ていた「湯帷子(ゆかたびら)」がルーツ(諸説あります)で、現代のようなちょっとした外出もできるおしゃれな柄ものが登場したのは江戸時代中期。つまり今も不動の人気の伝統的技法の浴衣は、プリントや化学染料の無い時代のもの。草木染めや絞り染めなど、ある意味色が落ちるのも当然、とも言えます。

 

ご家庭でお洗濯される時は、その区別だけはされた方が失敗が少ないですね。

 

今回は、私達プロが浴衣を洗濯する時、どういった点に注意しているかお話しましょう。ご家庭では同じ事は出来ませんが、参考にして下さいね。

ーーーーー

まず、注意点です。

A、色落ち・色移りB、色泣き・色滲みC、縮み(絞りなどは、伸び)

の、3つの点に注意する。また許容範囲はそれぞれ違いますが、ご自分でお洗濯される場合は、これくらいは仕方ないかな、と予め想定されておくとやりやすいでしょう。

色泣きの事例

(色泣きの事例。花の柄の中に紺色が差しこんでいます。)

 

[手順]

 

➀計測する。

私達は、作業前に必ず縦横の要所を計測しますが、自分のならしなくても良いかも。特に市販の物ならマイサイズではないし、マイサイズでも長襦袢と合わない、という事は無いからです。浴衣の場合、長襦袢は着ませんからね。

袖丈を計測している所

②3つの注意点―色落ち・色移り、色泣き・色滲み、縮み―をテストする。

やり方は秘密です(笑)。驚くような事はしてませんのでご安心下さい。でも、もし同じことをご家庭でされると失敗につながるかもしれないので、秘密です。プロ仕様のテストをします。

③特に気になる所は先に下洗いする。しみぬきすることも。

④一枚ずつ洗う。⑤たたんで洗う。⑥水で洗う。

⑦洗剤を選ぶ。

テストを踏まえて何種類かある洗剤を使い分けたり、混ぜたりする。酸素系漂白剤を併用したりもする。ご家庭では、中性のおしゃれ着用洗剤がおすすめです。

⑧それぞれに適した洗い方で洗う。

洗濯機は基本的に脱水しか使いません。桶で手洗いで押し洗いが基本で、素早く洗ったり、流水で洗ったり、浸け置きすることもあります。

浴衣の水洗い

⑨流水で濯ぐ。

⑩仕上げ剤を選ぶ。

柔軟剤、糊、色止め、などです。全部使う事もありますよ。

⑪脱水はし過ぎない。⑫干し方で決まる。

洗った浴衣を裏返して干す所

(最初は裏側にして干す)

袖底の縫いしろを手で伸ばしている所

(半乾きになって表にする前に袖底の縫いしろを手で伸ばしている所)

表にして干す所

(表にして干す)

⑪⑫の行程は、不必要にシワが入らないようにするためです。半分乾いたくらいで軽くアイロンで伸ばすことも。自分のなら、ここが上手く行けば、ノーアイロンでも充分です。

⑬寸法チェック。

テストの段階で縮みが出ない事は確認していますが、計測した寸法に合っているかどうかチェックして整えます。

⑭プロによる専用の仕上げ台でのアイロン仕上げ。

着物お手入れ専門店には、クリーニング屋さんにもあまり無い着物専用の大きさの仕上げ台があります。ここで元の綺麗な状態に整えます。

アイロン仕上げ

ーーーーー

いかがでしょうか。テスト、洗剤と洗い方と仕上げ剤の選び方、アイロン仕上げ、これらがプロによる判断です。これ全部ご自分でこなせるという方は、きっとプロの方ですね。もし一般の方ならスカウトしたいです(笑)。

私達が自宅で自分の浴衣を洗う時も、アイロン仕上げだけは自宅では限界があります。それに暑い夏に浴衣のアイロンを自宅でするのも辛い~~…ので、ノーアイロンか、シワだけ軽く伸ばして終わったりもします。

人物写真 浴衣姿

 

では、最後にもう一度ポイントを。

・色落ち、色泣き、縮みの3つの注意点。

・その3点がOKな洗いやすい現代の浴衣と、古来からの伝統的技法の浴衣と二通りある

・アイロン仕上げをするかしないか、必要な生地か必要ない生地か。自宅で可能か不可能か。

 

ポイントはこの3つではないかと思います。つまり、3点チェックもOKで、アイロンも必要無ければ、ご家庭でお洗濯できます。

でも時間の無い方や、心配な方は、和服の扱いに長けた専門店にご依頼ください。

 

水で洗えない浴衣もあるので、そちらは特に専門店に。(その詳しいお話はまた別の機会に致しますね。)もちろんしるくらんどでも承っております。