☆藍染めの 浴衣の洗濯や着物の色移りー着物雑学ー

藍染めは日本人の肌の色によく合う天然染料で、昔から生活に根付いて使用されてきました。

でも、色移りもよく持ち込まれます。それほど人気があるという証しでもあるのですけどね。

私は昔、藍染めはどうして色移りするんだろう?染めてる現場が見たい!!と、とある藍染めの作家先生の工房でいろいろ教えて頂いた事があります(H先生その節はお世話になりました)。

そこで今回は藍染めの色移りのお話を致します。

 

その前に、色落ちの理由はいろいろありますが、次の二つを覚えておいてください。

一つ目は、「染着座席に乗りすぎ」。

どんな繊維にも染料が繊維に定着するための” 染着座席 “という所があって、1座席に1分子とか決まってるんですが、濃い色の場合は染料をいっぱい使って濃度を上げる染色方法の場合、1座席に2分子とか3分子とか座ってしまうことになるので定着が弱くなり、座席から落ちてしまいます。

 

二つめは、「繊維と染料の相性」です。

例えばここで言う藍染めなら天然染料なので、絹、木綿、麻などの天然繊維と相性がよく、化繊には染まりません。但し、毛は毛足が長いため定着が弱く染まりにくいそうです。繊維も染料もいろいろ種類がありますから、相性の合わない同士だと、落ちたりします。

 

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藍は、不溶性の付着染料なんです。

 

つまり、化学染料のように水に溶けて先着するミクロな分子ではなく、顔料やスス(炭素)のように繊維の中に絡んで止まっているんですね。年数を追うごとに徐々に生地に入り込んで行きます。そうなるとむしろ落ちなくなります。

なので、新しい藍染めはまだ乗っかってる部分も多く、洗えばそこが落ちるし、摩擦でも移ります。浴衣を洗って藍色が落ちるのは、新しい藍染めか、濃すぎる化学染料のどちらかということになります。

 

しばらく洗わないと、良い正藍(しょうあい)ほど、蒅(すくも)という灰汁が出るので黄色い洗液が出ます。その蒅を出して空気に触れて酸化するたびに発色して青みが増してきます。

 

藍染は、蓼(たで)という植物を水で自然醗酵させた物に灰の灰汁、石灰、日本酒やふすま(麦の皮)などを混ぜて蒅という 染液を作り蒅に浸ける→水洗 を繰り返し30回~40回行う(色目に寄ります)、という染め方なので、何度も何度も水をくぐらせて精錬されているため、スレに弱い所があります。八掛けには向きません。

 

ですから、正藍染めの浴衣を洗濯しても白い部分に藍色が差し込むことは無いし、藍色が洗液にいっぱい出ても、流水で流せば他の部分に色移りすることもないのですが、別の化学染料が使われていたりすると、染着座席的にまたは染料との相性的に色落ちや色移りになったりすることがあるのです。

藍染浴衣の洗濯

この藍染の浴衣は何度も水洗いをしていますが,少し藍が出ました. しかし、柄のところに藍色が差し込む事がないのが藍染の特徴です.

洗濯後の藍染浴衣

干す時に、着物ハンガーがあると便利です。この時シワを取っておくと非常に後が楽になります(肩袖山や衿など)。いつものお洗濯と一緒ですね

但し、付着染料ですから摩擦には弱いので、擦れて白い帯に色移りした場合。

これは、以前ブログ「裾の黒ずみの正体は?」でお話した不溶性の極小の個体と同じなので一気に洗ってとれなければ繊維の奥深くに入り込んでとれなくなります。こういう時はむしろ、化学染料の藍色であれば、脱色補正できます。

どちらもどんな帯かによりますけどね。

藍染浴衣と半幅帯のバリエーション

最後に今回のまとめです。

・藍染めの浴衣は洗える。但し正藍でない物は注意。

・スレや摩擦に弱い。色移りすると脱色はできない。

そしてもう一つ、大切なこと。

・天然の草木染めのため漂白剤は使えない。また、染料での補正も、周りが経年褪色して色の段差が生じる場合がある。(程度にもよります)

 

藍と白は相性ぴったり。洗う度に青が際立ってきますので、変化に富んだコーディネートがお楽しみいただけると思います。

藍染の浴衣は、一着は持っておきたいですね。

着れば着るほど、好きになっていくこと間違いなしです。

 

 

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